看護師として働くために必要なスキルは何が挙げられるのかという話は、看護師の間でもよく話題となるテーマだ。これらは大きく、3つのスキルに分けられるといわれている。1つ目はテクニカル・スキルだ。日本語では業務遂行能力ということがあり、看護師としての実践能力のことを指す。看護師として働くためには、専門的な技術と技能、それらを支える知識が必要となる。何故なら医療現場では、技術や技能や知識がなければ何もすることができないからだ。テクニカルスキルを身につけるためには、とにかく実践あるのみだ。経験を積んでどんな緊急な状況でも対応できるようにしておくと良いだろう。
2つ目はヒューマン・スキルだ。対人関係能力ともいい、豊かな表現力を持って患者や他の医療職種スタッフとコミュニケーションを持つことだ。医療というものはチームで行うものであるため、ヒューマン・スキルは必要不可欠といっても過言ではなく、身につけなければならない。
3つ目は物事の本質を見極めるコンセプチュアル・スキルだ。これは問題を解決して改善する能力、つまり臨床判断能力のことを指している。例えば、病棟で患者の義歯がなくなったという事例があったとする。ここで問題となるのは義歯そのものではなく、どこでそれをなくしたかということだ。どこでチェックすれば紛失を防げるのか、それを掘り下げることがコンセプチュアル・スキルとなる。このスキルは医療事故防止にもつながるため、看護師の間でディスカッションする機会が多い。これらの3つのスキルを磨き上げて、あらゆる状況に対応できる看護師が求められている。